デメリットとは?過払い金請求の必要な知識
過払い金請求については、「お金が戻ってくる」ことばかりが強調されています。 しかし、過払い金請求のデメリットについては、あまり知られていません。
過払い金請求時に借金が完済されている場合にはデメリットはありませんが、まだ返済中の場合にはデメリットが発生します。 また過払い金請求を自分で行うのか、弁護士や司法書士に依頼するのかでも、メリット・デメリットがそれぞれ異なります。
自分の状況を把握し、過払い金請求のデメリットを避けて、最大のメリットを得る方法を見つけることが大切です。
もくじ(メニュー)
- 3)自分で過払い請求をする際のデメリットとは
- 3-1:時間と手間がかかる
- 3-2:取り戻すことができる金額が低くなる可能性がある
- 3-3:家族に借金をしていたことが知られる可能性がある
- 3-4:返済中の場合は返済や督促が止まらない
- 5)デメリットを考えて過払い金請求をすることが重要
- 5-1:ブラックリストに載っても過払い金請求をした方が良い場合もある
- 5-2:請求した賃金業者以外から借入はできる
- 5-3:過払い金請求のやり方は費用だけでなくトータルで考える
- 6)まとめ
完済をしていれば過払い金請求のデメリットはない
「過払い金請求をしたらブラックリストに掲載されるのでは?」と心配する人は多いです。
まずブラックリストについてですが、ブラックリストという名のリストが実在する訳ではありません。 クレジットカードやキャッシングの契約時に信用情報機関に氏名や生年月日、借入金額や返済日などの顧客情報がデータベースとして登録されます。
このデータベースに返済の延滞や自己破産・任意整理などの債務整理の事実が登録されることを、俗にブラックリストに載ると言います。 そしてブラックリストに載ると新規の借り入れやクレジットカードの発行が難しくなるなどのデメリットが発生するのです。
気になるのは過払い金請求をするとブラックリストに掲載されるかどうかです。 結論から言うと、借金を完済してからの過払い金請求なら掲載されません。 払いすぎた利息が戻ってくる上にブラックリストに掲載されない訳ですから、完済後の過払い金請求なら基本的にはデメリットはないでしょう。
敢えてデメリットを挙げるなら、過払い金請求を行った金融機関からの新規の借り入れが困難になることです。 とは言えローンやキャッシングが利用できる金融機関は1つではないので、他の金融機関から借り入れを行えば問題はないでしょう。
[sub-rank]返済中の過払い金請求にはデメリットが発生するので注意
ブラックリストに載ってしまう場合がある
過払い金請求をする際借金を完済しているか、借金を返済中であるかによって注意すべきことがあります。
まず、借金を完済している場合は大きな問題なく過払い金を受け取ることができます。注意すべきは借金返済中に過払い金請求を行う場合です。 返還された過払い金によって借金を完済できれば問題ありませんが、返還された過払い金を借金返済に充てても完済できなければブラックリストに登録されてしまいます。
ブラックリストに登録されると、ほとんどの賃金業者で借入・ローン・クレジットカードの発行ができなくなります。 信用情報機関に登録されている情報によって、返済能力に不安があるとみなされてしまうのです。
これが過払い金請求を借金返済中に行うデメリットです。 しかし、ブラックリストは5年程度の一定期間が経てば削除され、その後は再びローンやクレジットカードの利用ができます。
ブラックリストに載る可能性があるというデメリットはありますが、過払い金で借金残高を減らせることに変わりはありません。
賃金業者から新規借入が出来なくなる
また、過払い金請求を行った賃金業者からは新規借入ができなくなる点にも注意しましょう。
これは完済・返済中問わず生じる問題です。 請求先の賃金業者のクレジットカードの利用・発行もできなくなります。キャッシング枠だけではなくショッピング枠やETCも同様です。
請求した賃金業者と同じグループ会社のクレジットカードの利用もできなくなります。ブラックリストに載った場合とは違い、一定期間借入ができない・クレジットカードが利用停止となるわけではありません。
過払い金請求を行った賃金業者からは今後一切新規借入・クレジットカードの発行ができなくなります。 自動引き落としで支払っているものがある場合は変更手続きを行う必要があります。 請求先の賃金業者を利用できなくなるデメリットはありますが、先程も述べたように完済していれば他の賃金業者を利用することはできます。 借金返済中でも過払い金で完済できれば問題ありません。
ブラックリストに載ってしまった場合は一定期間ほとんどの賃金業者を利用できなくなりますが、期間が過ぎれば請求先以外の賃金業者を利用できます。 デメリットを踏まえた上で過払い金請求を行えばそれほど大きな障害とはならないはずです。
自分で過払い請求をする際のデメリットとは
時間と手間がかかる
過払い金請求は、原則本人か弁護士・司法書士といった専門家のみが行います。 専門家に依頼するのは費用が発生するため、自分で直接過払い金請求をしようとする人も多いですが、この場合にはデメリットがあることも覚悟しておきましょう。
まず、本人で過払い金請求をするときは、慣れない手続ばかりで時間と手間が膨大にかかります。
取引履歴の開示請求や利息の引き直し計算も大変ですが、その後業者と直接交渉しなければならず、さじ加減が分からずにいつまでも和解にならないことも珍しくありません。訴訟となると書類の作成や月に一度の出廷など負担が大きくなり、仕事をしている人はその都度休みをとって裁判所に行かなければならなくなります。
取り戻すことができる金額が低くなる可能性がある
自分で過払い金請求をすることのデメリットは他にもあります。特に注意したいのが、取り戻すことができる金額が低くなる可能性です。
例えば、利息の引き直し計算の時に入力ミスをして本来の過払い額よりも安い金額を請求しても、業者は訂正してくれず、これ幸いと本来より安い金額で和解してしまいます。また、交渉においても専門家との対応とは異なり、難易度の高い訴訟をちらつかせて大幅な減額を求めてくることが多いです。
専門家は業者の返還金額の相場を理解しているため、訴訟や任意交渉を自在に使い分けますが、本人の場合にはどうしても高い金額を目指すため、かえって訴訟などで費用負担が大きくなり、手元のお金が少なくなってしまいがちです。
家族に借金をしていたことが知られる可能性がある
家族に内緒にしていた借入金について過払い金請求をする場合には、家族に借金がばれてしまうというデメリットも考えられます。
専門家が受任して手続きをする場合には、業者とのやり取りや裁判所からの通知の受け取りなどは、専門家がすべて行います。
しかし、自分で手続きをしていると、業者との電話を聞かれたり、裁判所からの郵便が家族に見つかってそこからばれてしまうなど、さまざまなリスクが考えられます。 この一件では過払いになるので問題がないとしても、他の借金を疑われたり、そもそも家族間で秘密を持っていたことが責められるなど、家庭内で大きないざこざに発展する可能性もあり得ます。
先に家族に打ち明けるか、連絡先を家庭から切り離す等、対策を考えましょう。
返済中の場合は返済や督促が止まらない
専門家に過払い請求を依頼する場合には、基本的に借り入れをしているすべての業者に対して受任通知を発送し、その時点で支払いは一時的にストップします。
そして、払い過ぎている業者には過払い金請求をして、戻ってきたお金で残っている借金を清算し、残債務があれば契約をし直して支払いを続けますが、その間の利息は免除されます。
しかし、自分で過払い金請求をするときには、返済中の借金がストップすることはありませんのでずっと返し続けなければなりませんし、督促も止まらないというデメリットがあります。 もちろん、過払い金が戻ってくれば支払いに充てられますが、訴訟費用を用意したり交渉や裁判などで手間をとられたりしながらの返済は案外大変です。
[sub-rank]専門家に依頼するデメリットとは
専門業者に依頼した場合、相談料・着手金・基本報酬・成功報酬と費用がかかるデメリットが存在します。
事務所によって異なりますが、着手金や基本報酬は4万円程度かかります。 成功報酬は過払い金を返還された場合に支払う必要があります。 過払い金を含む回収金額の20%~25%程度を支払わなければなりません。
また、依頼する専門業者を探す手間もかかります。 専門業者によって交渉術や料金が異なっているので適切な業者を選ぶ必要があります。技術のない業者に頼んでしまった場合、余分な費用をかけたにも関わらず少額の過払い金しか支払われないケースもあります。
料金が高い業者であれば過払い金がせっかく返還されても手元に残るのは少額となってしまうかもしれません。 さまざまな業者を比較し、実績や料金に注目して業者を選ぶ必要があります。
過払い金請求に関わる重要なことなので簡単に決めることはできません。 専門業者に依頼する場合にも余分な費用と手間がかかってしまう場合があるので注意が必要です。
デメリットを考えて過払い金請求をすることが重要
ブラックリストに載っても過払い金請求をした方が良い場合もある
過払い金請求をすることで払い過ぎた利息分のお金が還ってきます。 そのため借金を完済することができたり、完済できない場合でも借金を減らしたりすることができるでしょう。
過払い金請求のデメリットは、還ってきた過払い金で借金が完済できなかった場合、ブラックリストに載ってしまうことです。 ブラックリストに載ると、貸金業者で新規の借り入れができなくなります。
さらに新しくクレジットカードを作ったり、ローンを組むこともできません。しかし、デビットカードや家族カードを使うことで対応することは可能です。
また、ブラックリストの情報は5~7年程度で削除されます。 そのためブラックリストに載ることを心配して大きな金額の借金を抱えた生活を続けるよりは、過払い金請求をして借金を減らすほうがよい場合もあります。
月々の返済額も少なくなり、精神的な負担も軽くなるはずです。 過払い金請求をしない場合でも、借金の返済が三か月遅れるとブラックリストに載ってしまうため、そのことも踏まえて過払い金請求をするかどうか検討してみてください。
請求した賃金業者以外から借入はできる
過払い金請求を行うデメリットとしては、請求した相手の貸金業者からは2度とお金が借りられなくなると言うことが挙げられます。 過払い金請求を行うと解約扱いになるのが通例で、その後はその貸金業社内で要注意人物として扱われることになるためです。
これは過払い金請求のタイミングが完済後であったかどうか、過払い金請求の結果ブラックリスト入りしたかどうか、という条件に関わらず発生すると考えて良いでしょう。
しかし、過払い金請求を行う事自体でブラックリスト入りすることはありませんし、借金を完済した後の過払い金請求であれば何の問題も発生しないので、他の賃貸業者からであれば新規借り入れなどを自由に行う事ができるのです。
ただし過払い金請求をした結果、戻ってきたお金と借金を相殺してもまだ借金が残ってしまった場合には、ブラックリスト入りしてしまうため他の貸金業者からもお金を借りることが難しくなることに注意が必要です。
過払い金請求のやり方は費用だけでなくトータルで考える
過払い金請求を自分で行うか、弁護士や司法書士といった専門家に依頼するかを考える時に、大切な要素はいくつかあります。 費用はもちろん、過払い金請求をするためにかかる労力や時間、専門家にしかできないことを加味して考えましょう。
専門家に依頼すると、着手金や基本報酬、成功報酬などの費用が発生するのが一番のデメリットです。 しかし、貸金業者から取引履歴を取り寄せることに始まり、過払い金を調べる計算や貸金業者への過払い金の請求など、難しい作業を全て任せることができます。
そもそも借金をしてから時間がたち、貸金業者が倒産していたり、吸収合併していた場合には、個人で過払い金請求を行うのは困難です。 また、貸金業者は交渉にも慣れているため、個人で過払い金請求をしても十分な金額を取り戻せないこともあります。
さらに専門家に依頼するメリットとして、借金を返済中の場合、貸金業者の取り立てがストップすることが挙げられます。 個人で過払い金請求をしても取り立てはストップしません。 過払い金請求はもちろん自分で行うことも可能です。
しかし、専門家に依頼するメリットも多くあります。 費用も含めてどちらが自分にとって有益か検討するとよいでしょう。
[sub-rank]まとめ
以上が過払い金請求についてのデメリットになります。 まとめると、借金を完済している場合にはデメリットはありませんが、まだ返済中の場合はブラックリストに載ってしまう場合があることや、貸金業者から新しく借り入れができなくなってしまうというデメリットがあります。
また、自分で過払い金請求をすることもできるのですが、弁護士や行政書士という専門家に依頼する場合と比べて時間と手間がかかることや、交渉がスムーズに行かず回収できる金額が低くなったり、家族に借金を知られてしまったりする可能性があること、返済中の返済や催促が止まらないことがデメリットです。
過払い金請求をする際にはデメリットも踏まえてトータルに考えることが大切と言えるでしょう。
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